サカ美術館が初の企画展を開催 — 『カマサン:バリ絵画の気高き伝統』

バリ島で最も著名かつ大きな影響力を持つ絵画スタイルのひとつである「カマサン」。本展では、16世紀の王宮にさかのぼるその系譜から、バリの新しい世代の芸術家たちへと受け継がれる伝統の軌跡をたどります。

アヤナ バリ内に位置するサカ美術館は、2026年8月28日より企画展『カマサン:バリ絵画の気高き伝統(KAMASAN: The Noble Tradition of Balinese Painting)』を開催いたします。当館初となる本企画展では、19世紀後半から現代にいたる作品を一堂に集め、バリで最も著名かつ影響力のある古典絵画の伝統が、儀式、受け継がれてきた知恵、女性の参画、そして現代的なアプローチを通じてどのように発展し続けているかを紐解きます。

2027年5月30日まで開催される本展は、バリの「生きている文化」に焦点を当てたサカ美術館の新ギャラリーにおける最初の展覧会となります。このギャラリーでは今後、毎年異なるテーマで展覧会を開催し、バリ島の多様な視点を発信していきます。また、伝統を継承する地域コミュニティと、バリ国内外のアーティスト、研究者、そして鑑賞者をつなぐ場として、文化への理解、責任ある観光(レスポンシブル・ツーリズム)、さらには地域の知識や創作活動への支援を促進することを目指しています。

「カマサン」様式の名称は、東バリのクルンクン県にある村の名前に由来しています。16世紀のゲルゲル王朝のもとで開花したこのスタイルは、その後のクルンクン王宮において洗練を極めました。バリ・ヒンドゥー教と深い結びつきを持ち、『ラーマーヤナ』や『マハーバーラタ』といった叙事詩をはじめ、バリやジャワの伝承、神話、宇宙観を題材としています。作中に描かれる人間、動物、神々の姿は、線、身振り、色彩の厳格な規律(コード)に従って表現されます。細長く伸びた手足、アーモンド型の目、そして影絵人形劇(ワヤン・クリ)に通じる特徴を持つカマサンの人物像は一目でそれと分かり、その独特で装飾美に満ちた世界観を生み出しています。

ファラ・ワーダニとマデ・チャンドラがキュレーションを手掛け、建築デザイン事務所「studiodikubu」が空間デザインを担当した本展は、「カラ(時間)」の流れを追う章仕立てで構成されています。来場者は、カマサン様式の起源から、代々技法を継承してきた巨匠たち、カマサンの女性たち、現代の新しい世代のアーティスト、そしてそれらすべてを支える視覚表現の言語へと順を追って巡ることができます。

次世代のアーティストたちにとって、カマサンに伝わる視覚的約束事「パケム」は、守るべきものであり、同時に挑み、拡張し、再解釈を試みる対象でもあります。その多くが過去5年間に制作された彼らの作品は、カマサンの人物像や物語を通じて、アイデンティティ、環境問題、テクノロジー、そしてパンデミックの記憶といった課題へと眼差しを向けています。

2015年にインドネシア政府より無形文化遺産として指定されたカマサン様式は、バリ島におけるさらに古い絵画伝統の一つの表れでもあります。ウブドの南約10キロに位置するバトゥアン村のプセ寺院に保管されている西暦1022年の銅板碑文には、「チトラカーラ=画家」という記述が残されています。この記録は、カマサン様式が生まれる何世紀も前から、バリ島において絵画が確立された職業・技術として存在していたことを示しています。

巨匠から現代へ

『カマサン:バリ絵画の気高き伝統』では、伝統的な神聖な布地(リチュアル・クロス)、ロンタル(椰子の葉の写本)、パレリンタン(天体占星術の暦)、そして家族や子孫からサカ美術館へと託されたカマサンの巨匠たちによる絵画など、30点以上の作品を一堂に展示します。歴史的な作品とともに並ぶのは、カマサンの視覚言語を押し広げている若手アーティストによる現代作品です。バリの村の儀式生活と現代の都市生活を架け橋とし、ポップなコラージュ美学で神話や精神性を再解釈するエカ・スタや、カマサンの人物像を斬新で未来的なスタイルで再構築するタトゥーアーティストのエカ・マーディスらの作品が出展されます。

最終章では、自身の世代で初めて「寺院の僧侶(マンク)」と「カマサン絵画の絵師」という独自の二つの役割を担う女性、マンク・ムリアティに焦点を当てます。現代のカマサン様式を代表する最高峰の絵師である彼女の作品は、2025年のシャルジャ・ビエンナーレで展示されたほか、シドニーのオーストラリア博物館やオスロのイプセン博物館にも収蔵されており、この伝統を確かに「今」へと繋いでいます。

従来のカマサン展とは異なり、サカ美術館におけるこの新しい展覧会は、古典的な傑作と現代の作品を等しく扱い、儀式に根ざした起源から最新の再解釈にいたるまでのカマサンの全貌を、ひとつの連続した物語として提示します。女性や若い芸術家を含むそれぞれの世代が、自らの時代と対話することで、いかにこの伝統を生き続けさせているかを示しています。

会期中、サカ美術館ではキュレーターやアーティストによるトークイベント、ワークショップ、子ども向けアクティビティ、その他のパブリックプログラムを開催いたします。来場者、ご家族、教育関係者、文化コミュニティの皆様を、参加アーティストや研究者との交流、そして対話や実践を通じたカマサン体験へとご案内します。

スケジュールや参加登録の詳細、展覧会の最新情報は、サカ美術館の公式チャンネルにてご確認ください。

来館案内

『カマサン:バリ絵画の気高き伝統』は、ジンバランのアヤナ バリ内にあるサカ美術館にて、2026年8月28日から2027年5月30日まで開催されます。休館日はなく、毎日の開館時間は10:00〜18:00です。入館料およびチケット購入については、ticket.sakamuseum.orgをご覧ください。

サカ美術館について

サカ美術館は、バリ島の創造性、精神性、そして哲学的な表現を称える文化の拠点です。広大な屋外空間と屋内スペースを備え、多様なイベントや行事に最適なロケーションを提供しています。当館では、展示やセミナー、学習センター、そして常設コレクションを通じて来館者の探求心を刺激し、バリ文化への深い理解と愛着を育むとともに、インドネシアにおけるミュージアム運営のベストプラクティス(最良の知見や手法)の向上を推進しています。当ミュージアムの運営は、バリの地域社会へ貢献するためのアヤナの取り組みの一環です。

詳細については、公式ウェブサイト(www.sakamuseum.org)をご覧ください。

アヤナ バリについて

アヤナ バリは、バリ国際空港からわずか12km、ジンバラン湾を望む全長1.3kmの壮大な断崖沿いに位置し、90ヘクタールの広大な敷地内に4つの受賞歴あるホテルを有しています。

  • アヤナ リゾート バリ:294室の客室とスイートは、クラシックな優雅さとバリの伝統美を融合させ、各室に大理石のバスルーム、家具付きバルコニー、コネクティング対応客室を備えています。
  • アヤナ セガラ バリ:223室の客室とスイートが、屋内外をシームレスにつなぐ現代的な設計で、伝統的なアヤナ体験に新風をもたらしています。
  • アヤナ ヴィラズ バリ:73棟のラグジュアリーヴィラは、プライベートプランジプールと息をのむオーシャンビューが特徴です。
  • リンバ by アヤナ バリ:全403室を備えるファミリー向けリゾートです。

アヤナ バリではガイドポスト モンテッソーリおよびグリーン キャンプ バリとの提携により、没入感のある体験型教育プログラムを提供しています。アヤナの広大な自然環境の中で、お子様が実践的なアクティビティを通じて学び、発見できるユニークな機会を用意しています。特に7歳から12歳のお子様を対象とした終日型のアウトドア・アドベンチャー「グリーン キャンプ アヤナ(グリーン キャンプ バリとのパートナーシップ)」では、世界で最もサステナブルで目的意識を持ったキャンプ体験をお届けしています。

さらに敷地内には、5つ星リゾートと一体化したバリ島初の純住宅用コミュニティ「アヤナ レジデンス」や、「スパ オン ザ ロック」を含む47のトリートメントルームと、インド洋を見下ろす崖の上に位置する世界最大級の海水ハイドロセラピープールを備えた受賞歴のある「アヤナ スパ」も展開しています。リゾート内には、17のミーティング・イベント・ウエディング会場、お子様用プールや崖の麓に位置する海水インフィニティのオーシャンビーチプールを含む14の淡水プール、プライベート感あふれる人里離れたビーチ、31のダイニング、ビジネスセンター、18ホールのパッティングゴルフコース、テニスコート2面、ジョギングトラック、フィットネスセンター3箇所、そして2箇所のキッズプレイグラウンドを完備しています。

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